日蓮聖人降誕800年
日蓮宗全国霊断師会連合会
よろこび法話 よろこび法話

#013
お題目におまかせします

日蓮宗霊断師会三重県会長
追分教会聖徒団団長
高鍋 鳳憲

早いもので、平成二十七年もあと二ヶ月で終わろうとしています。

最近、寺離れ、宗教離れという話しをよく耳にします。 「私は、無宗教、無信仰です。」と話す人は多いです。しかし、年末や正月になるとあちらの神社こちらのお寺とお参りになる方も多くいます。

当教会にも困った時にしか来寺しない方もいます。そんな方(お店の経営者)から電話で相談がありました。

昨日の朝九時に銀行に行き、五十万円をおろしてお店に帰ったのですが、すぐに来客があり、棚にそのお金を置いて接客をして、そのまま仕事に入ったそうです。そのあと午後二時頃に、その五十万円を入金(支払)しようとしましたが棚にありませんでした。

「明日までに支払をしないといけないので見つかりますか?又、盗難にあっていませんか?」を霊断してほしいとの話しでした。

すぐに霊断をして、お答えしました。

「お仏壇の前でお題目を五分又は百回唱えて探してください。新聞、雑誌、書類の間みたいな所にはさまっているかもしれません。そんなに時間はかからないと思います。」とお伝えました。

ところが次の日の朝、又電話があり、見つからないと再度相談。

「きちんと、棚の回り、書類、新聞、雑誌の間を見ましたか?」「はい見ました。」「きちんとお題目を唱えましたか?」「私の家は浄土真宗なので、お仏壇で南無阿弥陀佛と唱えました。」「それでは見つかりませんよ。お題目『南無妙法蓮華経』を信じ、お題目にすべてをまかせなさい。」とお話しました。

電話を切って十分くらいした頃に、再度電話がありました。

「お上人様、お金が見つかりました。棚の横の書類の中から出て来ました。ありがとう御座居ました。」とのことでした。

「近々お寺に来て、御本尊様、日蓮大聖人様にお礼を申し上げてください。」と私はお話しました。大聖人様は、

「夫(そ)れ、信心と申すは別にはこれなく候。妻のおとこ[(夫)]をおしむがごとく、おとこの妻に命をすつるがごとく、親の子をすてざるがごとく、子の母にはなれざるがごとくに、法華経・釋迦・多宝・十方の諸仏菩薩・諸天善神等に信を入(い)れ奉(たてまつ)りて南無妙法蓮華経と唱えたてまつるを信心とは申し候(そうろう)なり」

(妙一尼御前御返事)

とお示しになられています。

翌日来寺されたその方に、私は御祈祷や霊断の時は、すべてをお題目にまかせて、信じるようにと申し上げました。

それからは、毎月の盛運祈願会にも参加して大きな声でお題目を唱えるようになりました。

大聖人様は、

「其(それ)に付けても法華経の行者は信心に退轉(たいてん)無く、身に詐親(さしん)無く、一切法華経に其身(そのみ)を任せて金言の如く修行せば、慥(たしか)に後生(ごしょう)は申すに及ばす、今生も息災延命にして勝妙の大果報(だいかほう)を得、廣宣(こうせん)流布之(るふの)大願をも成就す可(べ)き也。」

(祈祷経送状)

と説かれておられます。

疑うことなく、本気で信じ、すべてをお題目にまかせることによって御利益もいただけるのです。

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