日蓮聖人降誕800年
日蓮宗全国霊断師会連合会
法華経のお話 法華経のお話

#056
無量義経の段その十五
(一)

イボルブ(進化)してこそ佛教!

大轉輪王小轉輪王。金輪銀輪諸轉輪王。(無量義経徳行品第一)

火葬こそは、お釈迦様以来の佛教の伝統。しかも火葬後に残ったお骨を、ガンジス川に流すことなく祀ることは、佛教独自の奥義であるのです。

法華経本編にも、多くの佛様が涅槃(お亡くなりになること)の後に火葬され、塔を建てて佛舎利(お骨)をお祀りされたことが説かれています。

さらに佛教が震旦を経て日本に渡る過程で、儒教の習わしであった「お位牌」が吸収されました。

伝播された国や土地ゝの思想信仰の良い点を吸収し、常に自己進化を続けることが、佛教の最大の強みなのです。

その結果、日本佛教は死者への供養に際し、魂魄(こんぱく)の魂(霊魂)を位牌にて祀り、魄(気)を遺骨に留めて塔(墓)で祀る方法が、最も理想的であると(経験的に)気付いたのです。

さればこそ、歴代の天皇は葬儀にて荼毘(火葬)に付され、その位牌は京都東山の名刹「泉涌寺(せんにゅうじ)」にて祀られてきたのです。

実に聖徳太子以来、皇室は佛教徒であったのです。(そもそも天皇という呼称自体が、広く普及していたわけではなく、普通は「院」と呼ばれていました。この院とは即ち、あの戒名の院なのです)

されど天皇家が神道の長であることもまた事実です。

塩入幹丈

元霊断院主任

福岡県妙立寺前住職

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