大轉輪王小轉輪王。金輪銀輪諸輪之王。
無量義経徳行品第一
絶地(ぜっち)・翻羽(ほんう)・奔霄(ほんしょう)・越影(えつえい)・踰輝(ゆき)・超光(ちょうこう)・謄霧(とうむ)・挟翼(きょうよく)の八頭の神馬・穆王(ぼくおう)八駿を駆使し、黄河の大地を高速で駆け巡ったと伝えられる周の穆王。
震旦(しんたん)の人々にとって幻の山と噂された崑崙(こんろん)山すらも、八駿に牽かせる馬車に乗れば、あたかも隣近所に行くがごとし。
崑崙の地にて西王母(全ての女性仙人を司る大仙女)と面会したという穆王。
さらに彼は震旦の人々にとって崑崙山以上に謎の土地、はるか西方の印度、王舎城(おうしゃじょう)は霊鷲山(りょうじゅせん)へと八駿のコースを取るのでした…。
霊水の深山に謎の美少年を見た!
勅命を受け、水の流れを遡り、深く険しい山中へ踏み込んでいく調査隊。
そこで彼らが発見したのは、古びた妖しき庵。それも廃墟ではなく、あきらかに人の生活している気配!
人の住めぬはずのこの山中に何者ぞ!といぶかしむ一行の前に姿を現したのは、異様に謎めいたオーラをまとった妖しき美少年。
少年の姿形でありながら、少年特有の若さや幼さは微塵も感じさせず、逆にどんな長生きした古老も及ばない威厳風格が醸し出され、そのミスマッチが姿形の美しさを人外のものへと昇華しています。
果たして人か?神仙か?はたまた魑魅魍魎(ちみもうりょう)か?
ますます困惑を深める一行に対して、謎の美少年はさらに驚くべき話を語り出すのでした。
我はかって周の穆王に仕えた菊慈童なりと…。
イラスト 小川けんいち
元霊断院主任
福岡県妙立寺前住職