日蓮聖人降誕800年
日蓮宗全国霊断師会連合会
法華経のお話 法華経のお話

#048
無量義経の段その十一
(四)

霊水の深山に謎の美少年を見た!

大轉輪王小轉輪王。金輪銀輪諸輪之王。

無量義経徳行品第一

絶地(ぜっち)・翻羽(ほんう)・奔霄(ほんしょう)・越影(えつえい)・踰輝(ゆき)・超光(ちょうこう)・謄霧(とうむ)・挟翼(きょうよく)の八頭の神馬・穆王(ぼくおう)八駿を駆使し、黄河の大地を高速で駆け巡ったと伝えられる周の穆王。

震旦(しんたん)の人々にとって幻の山と噂された崑崙(こんろん)山すらも、八駿に牽かせる馬車に乗れば、あたかも隣近所に行くがごとし。

崑崙の地にて西王母(全ての女性仙人を司る大仙女)と面会したという穆王。

さらに彼は震旦の人々にとって崑崙山以上に謎の土地、はるか西方の印度、王舎城(おうしゃじょう)は霊鷲山(りょうじゅせん)へと八駿のコースを取るのでした…。

霊水の水源をさぐれ!

霊水の深山に謎の美少年を見た!

勅命を受け、水の流れを遡り、深く険しい山中へ踏み込んでいく調査隊。

そこで彼らが発見したのは、古びた妖しき庵。それも廃墟ではなく、あきらかに人の生活している気配!

人の住めぬはずのこの山中に何者ぞ!といぶかしむ一行の前に姿を現したのは、異様に謎めいたオーラをまとった妖しき美少年。

少年の姿形でありながら、少年特有の若さや幼さは微塵も感じさせず、逆にどんな長生きした古老も及ばない威厳風格が醸し出され、そのミスマッチが姿形の美しさを人外のものへと昇華しています。

果たして人か?神仙か?はたまた魑魅魍魎(ちみもうりょう)か?

ますます困惑を深める一行に対して、謎の美少年はさらに驚くべき話を語り出すのでした。

我はかって周の穆王に仕えた菊慈童なりと…。

イラスト 小川けんいち

塩入幹丈

元霊断院主任

福岡県妙立寺前住職

pagetop

TOP