日蓮聖人降誕800年
日蓮宗全国霊断師会連合会
よろこび法話 よろこび法話

#057
祈りは叶う

大分県由布市
蓮正寺聖徒団 団長
飯盛義教

平成三十一年三月に、お笑いタレントのゴルゴ松本さんの講演を聞く機会がありました。「人生」をテーマに漢字の「成り立ち」を説明しながら、日本語に秘められたメッセージを読み解き、面白く為になる講演でした。

「皆さん、夢はありますか?夢は叶うのですよ。夢が叶う人と叶わない人の違いは、愚痴とか弱音を吐くか吐かないかだけです。吐くという字の「土」の下の一を少しずつ消すと「叶」という字になるでしょう。

祈りは叶う

さて「辛」に一つ足すとは何でしょうか。「真の幸福」を望むならお題目だと思いませんか。

苦をば苦とさとり、楽をば楽とひらき、苦楽ともに思合て、南無妙法蓮華経とうちとなへさせ給へ。

四條金吾殿御返事

今から十年程前のことです。Aさん(お母さん)が子供(B君当時五歳)のことで相談に来られました。B君はとにかく元気で動き回る子です。ところがある日、知り合いから「B君、周りに比べて落ち着きが無いね。一回病院で診てもらった方が良いと思うよ」と言われました。その言葉が気にかかり、しばらく悩みましたが、思い切って病院で診察してもらうことにしました。結果、医師から「多動性障害」だと診断され、お母さんは「まさか自分の子供が・・これからどう育てていけばいいのか」など色々な事が脳裏をよぎり、悩めば悩むほど涙が出てきました。悩んだ末にお寺に相談にこられたのです。

そこで九識霊断法をとると、未来に僅かな希望の光が見えました。お母さんに「毎月一回、B君を連れて私と一緒にお題目を唱えませんか」と伝えると「はい、宜しくお願いします」と返事が返ってきました。最初は一分も座っておれず、すぐに動き回りましたが、回を重ねるうちに、僅かな時間ですが座れるようになってきました。

しかし小学校入学の時に、学校から特別支援学級に入るよう進められました。お母さんは受け入れられず、お寺に相談に来られました。そこで九識霊断法でみると、「特別支援学級に入りなさい」とのご教示でした。お母さんは悩みに悩みましたが、仏様の言葉を信じ受け入れ、特別支援学級に入れることを決めました。また「障害を乗り越えるためにも何か運動を勧めてみてはどうですか」と伝えると、親子で話し合ってサッカーを始めることになりました。

祈りは叶う

その後、親子で努力し、又サッカーで協調性を学び、お題目を家族で唱え祈り続けました。その甲斐あって小学校四年生に上がるときには、普通学級に入るまで成長しました。お母さんはとてもよろこび、涙を流して報告しに来てくれました。それからも毎月一回お寺に来られ、今では親子で三十分以上座ってうちわ太鼓を叩きながら大声でお題目を唱えてくれています。

B君の将来の夢はプロサッカー選手。今年の四月から自分が選んだ県外の高校に入学し、サッカー部に入りました。未来に向けて羽ばたこうとしています。祈りは叶うもの。弱音や愚痴を吐かずお題目を唱え前向きな気持ちで行動すれば、必ず仏さまは応援してくださいます。これからも共にお題目を唱え、倶生神月守を着帯し、幸せを目指してまいりましょう。

南無妙法蓮華経

※この記事は、教誌よろこび令和2年2月号に掲載された記事です。

イラスト 小川けんいち

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